【吹き抜けの窓】メリット・デメリットや大きさ、暑さ・寒さ対策について徹底解説

【吹き抜けの窓】メリット・デメリットや大きさ、暑さ・寒さ対策について徹底解説

開放的でダイナミックな吹き抜けですが、そこに窓を付けるか付けないかで印象は大きく変わります。

また、窓の位置によって太陽光の差し込み具合が変化する点もポイントです。

間取りを考えていると、「果たして吹き抜けに窓は必要なのか」「窓を付ける場合はどのようなサッシを選ぶべきなのか」という疑問が湧いてくる方も多いでしょう。

そこで、今回は「吹き抜け」に窓を付けるメリット・デメリットや、暑さ・寒さ対策、そのほか掃除などに関する気になる疑問について詳しく解説します。

マイホームの新築を後悔したくない方、ずっと住める家を建てたい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント
● 吹き抜けへ窓を付ける際は、メリットとデメリットの両方を知っておくことが重要です。

● 吹き抜けへ窓を付ける際は、耐震面・デザイン面・快適面を総合的にプランニングできる会社へ相談することが重要です。

● 私たち「蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所」は、“手作りの家”をモットーに、お客様のご要望を叶えた住宅を数多く手がけてきた実績があります。

 


目次


 

吹き抜けに窓をつけるメリット

吹き抜けに窓をつけるメリット
公園に面した吹抜けとダウンリビングの家

吹き抜けは、今や注文住宅だけではなく建売住宅にも採用される定番の間取りです。

コンパクトな吹き抜けからリビング全体にまで及ぶダイナミックな吹き抜けまで、プランは様々あります。

住宅によって吹き抜けに窓を付けているプランとそうでないプランがありますが、窓を設置することで以下のようなメリットを得られます。

  • 隣家との距離が狭かったり、隣に背の高い建物があったりしても、吹き抜けの高い位置に窓を付けると、日射を取り入れやすい
  • 吹き抜けの高い位置にある窓は、日陰に入りにくく、日の差し込む時間が長い
  • 室内容積の大きい吹き抜けへ、さらに開放感をプラスできる
  • 隣近所からの視線を気にせず、外の景色を楽しめる
  • 外観デザインのアクセントになる
  • 高い位置に開閉できる窓を設置すると、煙突効果(※)によって空気の流れが生まれて効率的に自然換気できる
  • 吹き抜けに面したところにロフトがある場合は、そこまで日射や自然風を取り込める

※煙突効果:重力換気(比重の軽い暖気の上昇と、比重の重い冷気の下降を応用した換気)によって、高い位置の窓から室内の空気を排出させ、低い位置の窓から外の空気を取り込み、気流を作る方法

このように、吹き抜けへ窓を設置すると、性能面・デザイン面においてメリットがあります。

ただし、一方でデメリットもあるため、間取り全体のバランスや吹き抜けのある空間の用途によって、窓を付けるかどうか検討することが重要です。

 

施工事例

 

吹き抜けに窓をつけるデメリット・注意点と解決策

穏やかな環境で紡ぐ、平屋での豊かな暮らし

吹き抜けへ窓を付けると、空間に開放感がプラスされ、日中は室内が明るい光に包まれます。

ただし、吹き抜けをつけたことで「後悔した・失敗した」と感じる方は少なくありません。

その原因は、デメリットを理解していなかったことにあるでしょう。

冷暖房負荷が大きくなる

吹き抜けは、通常の部屋と比べて上方向に空間が広がるため、室容積が大きくなります。

そのため、従来のように床面積に応じて選定したルームエアコンでは空調しきれなくなる可能性があります。

断熱・気密性能や日射熱の影響を考慮した冷暖房負荷を算出し、その負荷に応じたエアコンの機種を選ぶ必要があります。

さらに窓がつけば、外気温の影響を受けやすくなるため、夏に日射の影響で室内が暑くなったり、冬には吹き抜けを上がっていく暖気が窓で冷却されたりする可能性があります。

解決方法
吹き抜けへ窓を設置する場合は、外気温の影響を最小限に抑えられる「高断熱サッシ+日射・遮熱ガラス」を選定しましょう。

併せて、外壁の断熱性を高めることも重要です。

 

陽の光で眩しい

吹き抜けに窓を付けると、太陽の光をたくさん取り入れられる反面、窓の方角によっては、部屋でくつろいでいるところに直射日光が差し込み、眩しさを感じてしまうケースもあります。

室内にいても眩しさを感じるような環境だと、ストレスが溜まって自律神経の乱れにつながる恐れもあります。

解決方法
吹き抜けへ窓を付ける場合は、太陽高度の低くなる東西面を避けましょう。

窓を付けるなら、太陽高度が高く直射日光が室内へ差し込まない南面がおすすめです。

 

隣家から見下ろされる

吹き抜けの高い部分に設置する高窓(ハイサイドライト)は、道行く人の視線を遮るため、プライバシー性が高いとされています。

ただし、吹き抜け窓と向かい合うように隣家の2階窓があったり、マンションやアパートなどのベランダが目の前にあったりすれば、どうしても室内を見下ろされているのではと気になってしまうかもしれません。

解決方法
吹き抜け窓の位置を決める際は、方角だけではなく周辺の建物高さや窓の位置も事前に確認してください。

道を挟むなど距離が離れていれば、吹き抜けの窓と向かい合うように隣家の窓やベランダがあっても、室内まで見えることはありません。

 

メンテナンス・掃除しにくい

高いところに窓を設置すると、溜まった埃をこまめに掃除できません。

また、スクリーンなどを設置した場合、それらの交換を通常の窓のように簡単にすることも難しいでしょう。

場合によっては足場を組まなくてはならず、コストがかかる点も要注意です。

解決方法
最近は、吹き抜けの窓や照明器具などをメンテナンスするための「キャットウォーク(高所の点検用通路)」を設置する事例は少なくありません。

開閉式の窓であれば、吹き抜け窓の外にバルコニーを設置すると、外部から掃除やメンテナンスをできます。

 

建物強度や耐震面で工夫が必要

建物強度を左右する要素のうちの一つが、床です。

吹き抜け部分は大きく床が切り欠かれて水平構面(※)を確保できないため、地震力や風圧力によって建物が歪まないような工夫が必要です。

※水平構面:建物に加わる外力(地震力や風圧力等)の水平力を耐力壁へ分散させて伝えるために必要な水平面

解決方法
吹き抜けにすることで床の強度が低くなる場合は、その他の2階床部分を補強するか、耐力壁の配置バランスを見直すなどの工夫が必要です。

そのため、細かな構造設計のできる建築会社へ相談しましょう。

様々な間取り・形状の注文住宅を手がけている会社がおすすめです。

 

 

施工事例

 

吹き抜けに設置する窓の種類|開閉タイプ・FIXタイプ

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ここまで、吹き抜けへ窓を付けるメリットとデメリットを紹介しましたが、どんなタイプの窓を設置するのかによって、使い勝手や快適性は異なります。

吹き抜けへ取り付けられる窓は、主に「開閉できるもの・開閉できないもの」の2種類です。

開閉タイプはその方法によっていくつか種類があるため、どのような窓にしたいかを踏まえて、適切なサッシを選びましょう。

【開閉できない窓】

FIX窓(はめごろし窓):
吹き抜けへ取り付ける窓は、開閉できないFIX窓が最も一般的です。換気はできませんが、開閉のためのレール溝やハンドルが付いていないため、掃除しやすく見た目もすっきりします。

 

【開閉できる窓】

内倒し窓:
内側に障子が倒れてくるタイプです。内側にカーテンやブラインドを設置しづらいものの、開けた状態で雨が降っても、吹き込む量を最小限に抑えられます。また、リモコン操作によって電動で開閉できるタイプもあります。

(引用:LIXIL

突き出し窓:
外側へ障子が倒れるタイプです。開けても室内側に干渉しないため、カーテンやブラインドを設置しやすく、開けた状態で雨が降っても、水が室内へ流れ込むこともありません。こちらも、リモコン操作によって電動で開閉できるタイプもあります。

(引用:LIXIL

 

ポイント
側窓で最も多い引き違い窓は、下から操作できないため、吹き抜けへの設置は不向きです。

また、天窓(トップライト)は、日射量の調節をしづらく雨漏りリスクもあるため、最近はあまり採用されません。

吹き抜けへ窓を付ける場合は、まず開閉したいかどうかを検討しましょう。

 

 

施工事例

 

暑さ・寒さ対策の方法|フィルム・ガラス・シーリングファン

暑さ・寒さ対策の方法|フィルム・ガラス・シーリングファン

「吹き抜けへ窓を付けたいが、夏の暑さや冬の寒さが心配」という方も多いでしょう。

確かに、日射を多く取り入れられる吹き抜け窓は、仕様によっては室内を温めてしまいます。

また、逆に冬には暖房の熱を外に逃してしまうことも考えられます。

暑さ・寒さ対策として主に挙げられるのが、「ガラスフィルム・断熱ガラス・シーリングファン」です。

それぞれ特徴や注意点が異なるので、適した方法を選びましょう。

ガラスフィルム

ガラスに遮熱フィルムを貼ると日射熱が室内に伝わるのを軽減できます。

材料費・工事費が安い点はメリットと言えるでしょう。

ただし、最近よく使用されるようになった高性能なLow-E複層ガラスとの相性は悪く、高い確率でガラスが熱割れしてしまいます。

そうでなくてもフィルムの寿命は内貼りで10年程度、外貼りで5〜7年と短命です。

そのため、ガラスフィルムは、築年数の経っている住宅における“応急処置”となります。


断熱ガラス

その他の窓と同様に、吹き抜けの窓も断熱ガラスを入れましょう。

空調効率をキープできます。

断熱効果が特に高いLow-e複層ガラスがおすすめです。

特に日当たりの良い南面へ窓を設置する場合は、ガラスの断熱性能だけでは暑さを軽減できないため、屋根の軒を伸ばしたり庇をつけたりするなど、日射遮蔽への配慮も必要となります。

東西面の場合は、太陽高度が低いため、軒や庇で日射を遮れないので注意してください。


シーリングファン

吹き抜けへは、必ずシーリングファンを付けることをおすすめします。

なぜなら、冬には天井付近に溜まった空調の暖気を撹拌でき、夏には扇風機のように下へ風を送ることで体感温度を下げられるからです。

ファンを冬には上向き、夏には下向きにすることで、季節に応じてメリットを活かせます。

シーリングファンの向き
(引用:Panasonic

 

 

 

施工事例

 

吹き抜けの窓に関するFAQ|掃除やカーテン・ロールスクリーン、冷暖房、耐震性

大屋根と丸太架構の家

吹き抜けに窓を付けるかどうか迷っている方のために、ここで多くの方からいただく質問を紹介します。

Q.吹き抜けの窓は掃除できる?

A.窓の位置や間取りを工夫すれば、ご自身でも掃除できます。

吹き抜けに面してホールを作り、そこから高天井用モップなどで埃を落とせるようにする方法や、キャットウォーク・外部バルコニーを隣接させる方法があります。

吹き抜け部分にリビング階段を設置して、踊り場などから掃除できるようにする間取りもおすすめです。


Q.カーテンやロールスクリーンは必要?

A.必要性はケースバイケースです。

カーテンやロールスクリーンは必要なケースとそうでないケースがあります。

カーテン・スクリーンが必要な場合の例 ・夏の日差しや冬の冷気が気になる
・隣家など外部からの視線が気になる
・朝日や夕日が眩しい
カーテン・スクリーンが不要な場合の例 ・断熱ガラスで外気温の影響を受けにくい
・隣家との距離が離れていて視線が気にならない
・庇や植栽などで日差しを調節できる


日射熱対策として遮熱ガラスを入れたとしても、遮蔽率は最高でも60%程度がほとんどです。

そのため、日射を確実に遮断したい場合は、室内スクリーンやアウターシェードの設置を検討しましょう。

特にアウターシェードは遮蔽率80~90%と効果がとても高いです。

断熱性を重視する方には、ハニカムブラインドも良いでしょう。

断熱サッシ+Low-e複層ガラスの組み合わせであっても、外壁と比べると断熱性能は1/5程度しかないため、その弱点を補う方法としてブラインドなどの設置は効果的です。

ただし、高所の窓へカーテンやスクリーン、ブラインドなどを設置する場合、こまめに開閉するためには電動タイプを選ぶ必要があり、初期費用やメンテナンス費用がかかります。

コストを抑えるために手動タイプを選び、結局ほとんど開け閉めしなくなるケースもあるため、必要性をじっくり検討することが重要です。

また、布地の素材によっては埃を引き寄せやすく、日焼けによる褪色が目立つものもあるため注意してください。


Q.冷暖房の負荷を下げるにはどうしたらいい?

A.家全体の断熱性を高めることが重要です。

冷暖房の負荷を上げてしまうのは吹き抜けの窓に限りません。

特に、最近の間仕切り壁が少ないオープンな間取りでは、全館空調を採用するケースも多く、建物全体の断熱性能が大きく影響します。

そのため、窓の断熱性だけではなく、外壁・床・屋根など外皮となる断熱性能にもこだわりましょう。


Q.吹き抜けに窓をつけると耐震性が落ちるって本当?

A.窓のサイズや大きさに注意すれば心配ありません。

以下のような窓が多いと耐震性能が落ちる可能性があります。

  • 間口が広い窓(極端に横長の窓は、柱や筋交などの構造体を入れられない)
  • コーナー窓(家の角には地震力が集まりやすく、負荷が大きい)


ここでポイントとなるのが、「窓のある吹き抜け=耐震性が低い」という訳ではないという点です。

住宅の耐震性能を決めるのは耐力壁の量だけではなく、その強度やバランス、そして水平構面といったトータル的な構造計画です。

ポイント
吹き抜けへ窓を設置しても、その部分の壁量減少を他で補えば、耐震等級3も実現可能です。

開放的で明るい吹き抜けにしたい方は、耐震構造の知識が豊富な一級建築士の在籍している建築会社へ相談しましょう。

 

 

施工事例

 

窓がポイントの吹き抜けがある家|内観・外観実例

「蓮見工務店+蓮見建築設計事務所」では、これまでデザインの異なる吹き抜けのある住宅を手がけてきました。

その中から、窓にフォーカスしていくつかの実例を紹介します。

「中庭を囲むリビング階段の家」

大きな窓と渡り廊下のある吹き抜け

こちらは、玄関を入ると開放的な吹き抜けのある事例です。

玄関ホール正面には中庭があり、正面の大開口と吹き抜け上部に設置された高窓からたくさんの光が差し込みます。

高窓の正面にはスリットの入ったブリッジを配置して、陽の光を遮らないようにした点もポイントです。

 

「ひなたぼっこが気持ち良い家」

吹き抜け窓から差し込む光を反射させる効果

こちらは、広々とした吹き抜けへキャットウォークと掃き出し窓を設置した事例です。

高窓から差し込む光が正面の白い壁に当たり、光が室内に拡散されます。

 

「屋根組と開放的ホールが特徴の家」

視線の抜ける吹き抜け窓

こちらは、吹き抜けの2面に窓を設置した事例です。

両面に窓を設置することで、視線が抜けてまるで外にいるような開放感を味わえます。

この“視線の抜け”は、外観デザインにも活きています。

吹き抜け窓を外壁面から凹ませることで、外部からの視線を適度に遮りながらも開放感をプラスした点がポイントです。

 

施工事例

 

ずっと快適に暮らせる住まいの新築・リノベーションは実績のある工務店・設計事務所に

吹抜け空間が家族を繋ぐ、明るいリビングの家

後悔のない住まいづくりを実現させるためには、4つの要素を備える建設会社へ相談することがポイントです。

  • 長寿命で高耐久な構造計画
  • 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
  • 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
  • 住む人の健康を維持するための材料・設備選び


その全てを兼ね備えた住宅づくりは、設計事務所の設計力だけでも工務店の施工力だけでも叶いません。

「長く安心して住み続けられる住宅にしたい」という方は、丁寧に要望に耳を傾け、専門的な知識を踏まえたプランを提案してくれる設計者や施工会社に相談しましょう。

私たち蓮見工務店は、設計事務所としての経験や知識を踏まえ、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。

また、常に最新技術にも目を向け、その時に出来うる限りのご提案させていただきます。

私たちが“年間限定6棟宣言”をしているのは、お客様ひとりひとりと真正面に向き合っていきたいから。

デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で建てたい方・リフォームしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。

 

施工事例

 

蓮見工務店の家づくりへの想い


穏やかな環境で紡ぐ、平屋での豊かな暮らし

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、そして設計事務所として培ってきたデザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」

「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。

私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、お客様の一棟に全力を注いでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築をご検討中の方は、これまでに携わったお宅をご見学ください。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、木にしか出せない香り、温かみのある手触り」や「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、パッシブデザインの良さ」を感じて頂けるはずです。

ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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