家づくりとは「家族の豊かで楽しい暮らしを実現できる舞台をつくること」⑤

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自分達の家を建てようと決心したした時から、
家づくりが始まります。

家づくり成功の秘訣は、施行を依頼する工務店との
「家づくりコンセプト」の共有です。

この作業がうまくいけば、家づくりは楽しく、
納得しながら進められます。

自分達が、家を持ちたい理由を整理し、それを基にして、
思いを実現するための家づくりのコンセプトを作りましょう。

「家を建てたいと思った理由」と
「家を建てる目的を実現させる計画」が
一致していれば、必ず家族の望んだ家が実現します。

家づくりの目的に合わせた計画を立てるためには、
家を建てたいと思った理由を、
具体的な目的に結び付けることが大切です。

家族が望む目的に対して、施行する側が
専門的な見地から具体的な対策を提案します。

この作業を繰り返すことで、
家づくりのコンセプトが明確になっていきます。

コンセプトに盛り込みたい要素は
家族によって異なり、多々あります。

今回は、暮らし方の工夫を楽しむ家
パッシブデザインを採り入れた家
について考えていきましょう。

暮らし方の工夫を楽しむ家

 

自分たちの家が完成し、暮らし始めてから、
暮らし方の工夫を楽しめる家とはどんな家なのでしょうか?

家づくりプランは、家族構成と
家族の暮らし方に合う家を基本に進められます。

生活動線や室内環境など、たくさんの要素を基に
進められていくので、
暮らしやすい家を目指してプランが作られます。

ところが、家が完成し、暮らし始めてみると、
こうしておけばよかった、ああしておけばよかった
という部分に気づくことがあります。

家づくりの際には、細かな部分まで暮らし方を思い描き、
暮らしやすい家を追求していたはずです。

にもかかわらず、そのような思いを感じる理由は、
暮らしの変化です。

特に子育て中には、子供の成長に合わせて、
日々暮らしの変化が起こります。

その時々で、暮らしやすい環境も変わっていきます。

暮らしやすい環境が変化した時に、その変化に応じて、
「ちょっとした工夫を楽しみながら暮らしやすさを持続できる家」が、
「暮らし方の工夫を楽しめる家」なのではないでしょうか?

ちょっとした工夫で、暮らしの変化に対応できる家
について、具体的に考えてみましょう。

子供の成長に合わせて変化させられる収納

暮らしやすさを実現するために、
大切なことはたくさんありますが
その中に、家の中がいつでも自然に
片付いているといった項目があります。

家の中がいつでも自然に片付いている状況を
実現するポイントは収納です。

収納はたくさんあれば良いというものではありません。

用途に応じた最適・最小限の収納が理想です。

リビングや玄関に作る家族が使える
大型クローゼットの中に、高さを変えられる棚を
作っておくと、子供が幼くても、自分で
お片付けをするスペースを作れます。

棚の高さは、子供の成長に合わせて、変えていけます。

洗面所の収納には、タオル、洗面所と浴室の掃除道具、
洗面所や浴室で使う石鹸やシャンプーの買い置き品などの
収納スペースの他に、子育て中には、子供の下着や
パジャマをしまって置ける収納があると便利です。

2階建ての家で、子供の部屋が2階にある場合、
子供の入浴準備、入浴、寝かしつけという
一連の流れの中で、2階と洗面所の移動を減らせます。

子供が成長し、入浴準備などを自分でできるように
なる頃には、状況に合わせた新しい使い方ができます。

工夫ができる収納は、収めたい物を収めたいタイミングで
納められる位置にあり、収めたい物のサイズに
合っていることが基本です。

この基本に加えて、暮らしの変化に応じて
収納スペースの内部を、手軽に変えられるように
しておくことが、使いやすさを持続するポイントです。

子供の成長に合わせて変えられる子供部屋

子育て中には、子供部屋の在り方も変化します。

子供が小さいうちは、子供部屋を作らず、
リビングとして広く使い、子供が就学したら、
リビングと子供部屋を分ける、
リビングの一角に子供コーナーを作るなど、
子供の成長に合わせて
手軽に変えられるような間取りにしておくと、
子供の成長に合わせて暮らしやすさを持続できます。

基本の間取りプランの際に、間仕切壁で別ける予定であれば、
ドアを2か所作っておく必要がありますが、
パーテーションや家具の工夫で、
緩い区切りをつけるという方法も考えられます。

新し家が完成し、その家で暮らし始めてから後、
専門家に頼らず、家族の工夫で暮らしやすさを
維持できる間取りの家は、工夫を楽しめる家です。

パッシブデザインを取り入れた家

 

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日本には四季があります。

自然のままの気候が心地よい季節もあれば、
暑さや寒さが厳しい季節もあります。

そして私達は、暑さや寒さが厳しい時期には、
エネルギーを消費して、快適な室内環境を調えています。

一方、地球環境という視点から考えると、私達は
できるだけエネルギーを節約することを求められています。

エネルギーの節約は、
大企業だけに求められているわけではありません。

個人個人の家庭でも、エネルギーを節約することが、
地球環境にも貢献し、家計の倹約にもつながります。

個人の家庭でできるエネルギーを節約する方法の一つに、
パッシブデザインを取り入れた家を
建てるという選択肢があります。

パッシブデザインと断熱

パッシブデザインとは、
季節によって変わる太陽の光や熱と、
風の性質を活かして、快適な室内環境を作る設計です。

自然のエネルギーを利用した室内環境は、
エアコンだけに頼った室内環境よりも、
心地良く、健康的です。

冬、家の中の温度が思うように上がらない理由は、
逃げてしまう暖房の熱が多い為です。

暖房の熱が逃げないようにするためには、
家の断熱性、保湿性、気密性を高めなくてはなりません。

これらの性能が十分に備えられた家では、
最小限の暖房で、快適な室温を維持できます。

また、暖房している部屋と、暖房していない部屋、
暖房している時間帯と、暖房をしていない時間帯の
温度差が抑えられます。

暖房をしているリビングから玄関に行くと寒い、
朝起きた時に、部屋が冷え切っているというような
極端な温度差がなくなります。

暖房をしているのに、窓辺に行くとヒヤッとする、
足元がスースーするというようなことも起こりません。

加えて、家の向きや周辺の環境によっては、
南側の窓から採り入れた日射熱を蓄えられるため、
日が落ちてから温度が下がる時間には、蓄熱された熱が、
室内に放出されるという効果もあります。

この効果を実現させるためには、断熱性はもちろんのこと、
充分に熱を集める、
その熱を蓄えることができる設計にしなくてはなりません。

そして、充分に熱を集められる家にするためには、
日当たりの良い立地条件が必要です。

日射時間の短い地方では、この方法は効果を出せませんが、
埼玉県では、立地条件が整えば、効果が上がります。

パッシブデザインと遮光

注文住宅,家づくり,家族,パッシブデザイン,収納夏、室内が暑くなる理由は、太陽の陽射しが強くなり、
家の中の温度に、影響を与えるからです。

冬を暖かく過ごすための断熱性が、
夏には室内の温度を上げてしまうという面もあります。

とは言っても、季節によって、
家の断熱性能を変えることはできません。

その為、最も効果的な方法は、
陽射しの侵入を抑えるということです。

もし、室内に強い陽射しが侵入してくる率を抑えられれば、
家の中の温度の上昇を抑えられます。

それができれば、家の持つ断熱性によって、
冷房の涼しさが逃げない環境を作れます。

具体的な方法として、どこのご家庭でも、
カーテンやブラインドなど、
家の中での遮光対策はされていると思います。

ただ、それだけでは、窓からの熱の侵入は
食い止められません。

家の中に入り込む熱の70パーセント以上は、
窓から入ってくるからです。

設計の段階で、軒や庇の位置と深さ、
外付けのブラインドなどの遮光対策をする必要があります。

併せて、陽射しが強く当たる窓には、
遮熱機能のある窓にする、
窓の前に落葉樹を植える計画なども大切です。

現代の新築住宅においては、断熱窓が標準ですが、
西日が強く当たる窓、夏の陽射しが強く入る窓には、
断熱+遮熱機能のある窓が向いています。

窓の近くに植える落葉樹は、夏には豊かな緑で、
室内への陽射しを遮り、
冬には葉を落として暖かな陽射しを遮りません。

パッシブデザインと風通し

注文住宅,家づくり,家族,パッシブデザイン,収納快適な室内環境には、風通しも欠かせない大きな要素です。

風通しは、窓の位置と、開閉方法、
家の周辺の環境、地域の風の性質によって、
変わってきます。

高窓は、家の中に留まった熱を、外に排出させます。

高低差のある対面の窓は、同じ高さにある対面の窓より、
風の通り道を広くします。

拭き抜けのある家の風通しが良いのは、
窓の高さに高低差ができるからです。

もちろん吹き抜けがなくても、
地窓や高窓を組み合わせることで、
風の通り道を確保できます。

壁に沿って逃げて行ってしまう風を採り入れるには、
ウィンドキャッチャーとも呼ばれる縦すべり出し窓や、
壁に風を当てて、風の方向を変える袖壁が効果的です。

遮光と風通しの組み合わせで、夏でも朝や夕方、
また、暑さが和らいでいる日などには、
エアコンなしで過ごせる時間を作れます。

パッシブデザインと採光

エネルギーには、冷暖房以外に、
照明に使われるエネルギーがあります。

密集した住宅地などでは、ビルやマンションに囲まれ、
昼間でも照明をつけなければ過ごせない環境の家があります。

反対に、周辺の環境は開けているのに、
階下の部屋が暗いという設計の家もあります。

エネルギーを節約するためには、
昼間は太陽の光で、生活できる環境を作ることが大切です。

周辺の環境に合わせて、
天窓や、高窓と吹き抜けを組み合わせる、
光を通す建具を使うなど、様々な設計のアイデイアを活かして、
陽射しの溢れる明るい家が作られます。

パッシブデザインの家は、快適な室内環境と、
家計の節約を同時に実現する家です。

パッシブデザインを取り入れた家に住んでみませんか?

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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