注文住宅の玄関の広さの決め方やおすすめしたい収納

注文住宅の玄関の広さやおすすめの収納

玄関は家族が外出、帰宅の度に必ず使う場所であり、訪問されたお客様のファーストインプレッションになる場所でもあります。注文住宅の間取りプランを作成する際には、玄関の広さ、使いやすい収納、引き戸・玄関ドアの違いと外観と調和など、失敗しない玄関にする為のポイントを、家全体の間取りとのバランスを考えながら解決していきましょう。

玄関の広さは家全体の間取りとのバランスを考えて決める

緑の庭を望む大開口リビングの家 玄関

緑の庭を望む大開口リビングの家

玄関の広さは、使いやすさと住宅の印象に大きな影響を与えます。玄関ホールや玄関に隣接する部屋や吹抜け等との繋がりによっても、広さに対する視覚的な印象が変わります。

使いやすさから考える玄関の広さ

使いやすさという面から玄関の広さ考えた場合には、家族構成や家族の生活の時間帯に配慮する必要があります。サザエさん一家のように、同時に2人が外出し、他の家族が玄関に見送りに出るというような暮らし方の家族、又は訪問客が多いご家庭には、2人が並んで靴を履けるだけの広さが必要です。土間と玄関ホールを合わせて4帖程度あれば、ゆったりと使えます。

一方、家族は4人以上いるが生活の時間帯がずれているので、同時に外出することはない、複数の訪問客を同時に迎えることもほとんどないというような場合には、2帖程度でも機能的に使えます。

玄関は長時間滞在する場所ではないので、家全体の床面積の配分から考えた場合、あまり広くとりたくない、リビングを広くしたいと思われる方が多いと思います。ただ、家族構成や玄関の使い方に合わせた面積にする必要があるので、最低限でも2帖程度は確保しましょう。

印象から考える玄関の広さ

玄関だけに限ったことではありませんが、空間の実際の広さと印象から受ける広さは変わります。家全体の床面積とのバランスから、玄関に使える床面積に制限がある場合、玄関ホールが狭くても、リビングなど隣接する部屋との並べ方や、上部を吹抜けにする事で広く感じさせるような工夫もあります。

また、窓を設けると陽射しと風通しなど、玄関内の環境が良くなるだけではなく、見た目も広く感じられます。

家族の使い勝手から考える玄関の広さ

3世代が集うぬくもりの木の家 玄関

3世代が集うぬくもりの木の家

玄関は家族が外出する際、世界中で一番安心できる愛情にあふれた場所から、どんな危険があるかわからない場所へと出ていく心の切り替えをする場所であり、身支度の最終確認をする場所でもあります。

毎朝のことであり、本人は爽やかな気分で外出したいと思い、家族は気持ち良く送り出してあげたいと考えているはずです。帰宅時には、家に辿り着いてほっとする最初の場所です。また、ちょっとした用事で立ち寄ったお客様を応対するスペースとしても活用できます。

そんな玄関を気持ち良い場所にしておくためには、どうしたらよいのでしょうか?そのカギを握るのは、玄関をいつでもすっきりさせる収納です。使い勝手の良い玄関には、家族構成と暮らし方にあった収納を設けられる広さと工夫が必要です。それではどのような収納が、玄関を使いやすくするのでしょうか?

 注文住宅の間取りを決めていく際に、最も大切なことは家族の理想の暮らしができる家にすることです。その為には、具体的にどのようなことに配慮して計画を進めていくべきなのでしょうか?

コラム 注文住宅の間取りの決め方は何を基にするべき?

施工事例

注文住宅の玄関におすすめしたい収納

玄関土間収納とスキップフロアの家

洗出し土間とスキップフロアの家

玄関の広さは、家全体の間取りとのバランスを考えなくてはならないので、十分な広さにできることもありますが、思ったように広くはできないケースも少なくありません。思ったように広くできなかった場合、土間が靴で埋まってしまうというような状況になりかねません。また、十分な広さがあってもベビーカーや子どものスポーツ用品などで、雑然とした玄関になってしまうこともあります。そこで計画したいことが、玄関と居室への動線と、家族構成と家族の暮らし方に合わせた収納です。目的に合わせた収納という観点から考えていきましょう。

ベビーカーや自転車、アウトドア用品を収納したい

床面積にある程度余裕がある場合、ウォークインタイプの土間収納にすると、床を汚す心配がある物を収納できます。子育て中のご家族や、アウトドアスポーツが趣味のご家族に役立つ収納です。

ウォークスルータイプの収納を家族の帰宅動線にして、家族動線と来客動線を分けるという間取りも考えられます。

作業や外出準備ができる収納にしたい

鏡や作業台を置いて、作業や外出準備ができる収納にする場合には、換気がしやすく、自然光が入る環境を創る為、窓の位置とサイズに工夫が必要です。汚れが気になる作業をしたい場合や、靴を履いた状態で身支度を確認したい場合には、土間収納が向いています。その場合には目的に合わせて、一部分を土間にするという考え方もあります。

リビングに物を持ち込まないようにしたい

玄関からリビングへの動線があり、帰宅した家族がリビングに直行するというような間取りの場合、リビングに家族の持ち物が溢れてしまう恐れがあります。玄関とリビングが直結している間取りは、自然な家族のコミュニケーションが生まれやすいという良さがあります。

その一方、帰宅した家族のコートや荷物がすべてリビングに持ち込まれる結果、リビングが片付かなくなるという恐れがあります。この場合、リビング内にファミリークローゼットを設けるという方法もありますが、玄関に大型収納を設ける方法も効果的です。

また、コート入れなどと手洗いシンクも設ければ、花粉やウィルスを居室内に持ち込むリスクを軽減できたりもします。

床面積を圧迫せずに収納量を増やしたい

窓から緑を眺めて暮らせる家 玄関

窓から緑を眺めて暮らせる家

ウォークインタイプの収納を設けるだけの床面積がない、又は他の場所にファミリークローゼットを設けるという場合は、天井までの壁面収納で収納量を増やせます。ただ、その場合、設置位置によっては圧迫感が出てしまう恐れがあります。

同じ玄関の広さで、間口が狭く奥行きが長いというような場合には、玄関ホールの奥行き側に収納を設け、土間の側面には腰のあたりまでの収納や、上下に分かれたタイプの収納を設けると圧迫感を抑えられます。このような収納は、鉢植えの植物や、絵画などを飾れるので、玄関内の雰囲気作りにも役立ちます。

 新築の際に家族で使える大型の収納を設ける間取りが人気です。リビングや寝室にウォークインクローゼットを設ける間取りや、シューズクロークとして使える土間収納にする間取りなどがあります。どのタイプの場合にも、窓が必要なのでしょうか?なぜ、クローゼットに窓が必要なのでしょうか?

コラム ウォークインクローゼットに窓はつける?つけない?

施工事例

引き戸と玄関ドアの違いと外観との調和

大屋根と丸太架構の家 玄関

大屋根と丸太架構の家

玄関の出入り口には、玄関ドアと引き戸があります。新築の際には、和風な住宅以外では多くの方が玄関ドア一択とお考えだと思いますが、玄関ドアと引き戸のどちらを選ぶかということで迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?玄関ドアと引き戸には、見た目の違い意外に、使い勝手や玄関内の環境の造りやすさに違いがあります。

引き戸や玄関ドアと外観デザインとの調和

玄関の出入り口は、引き戸や玄関ドアのデザイン性や色が、外観デザインに大きく影響します。通りから見ると外観全体が目に入りますが、門を入り玄関に近づくと、玄関ドアとその周辺がその家に対する印象を形作るからです。

外観デザインと玄関の出入り口との調和という観点で考えると、引き戸にはモダンな雰囲気の住宅にも調和するデザインもあります。ドアには和風な住宅に調和するデザインもあります。メーカー製の玄関ドアや引き戸に、気に入ったデザインや質感が見つからない場合には、引き戸や玄関ドアを造作できることも注文住宅の醍醐味の一つです。

玄関ドアと引き戸を選ぶ際の制限は、デザイン性ではなく、玄関の出入り口に使える間口の広さと間口の両脇の壁の幅、玄関ドアにする場合には玄関ドアを開ける奥行きなど、スペース上の問題です。

玄関ドアと引き戸の使い勝手の違い

玄関ドアと引き戸にはそれぞれ便利な面と使いにくい面があります。

玄関ドアは、引き戸に比較して断熱・気密性と防犯性が高いなどの良さがある一方、ベビーカーや車いすで乗り入れる場合ドアが邪魔になる、扉を開閉するドアの前方がデッドスペースになるといった不便さがあります。

一方、引き戸には開閉の幅を調整できる、出入り口の段差をなくせるなどの良さがある一方、間口の広さに対して半分しか通行の幅が得られないという不便さがあります。ただ、2枚連動引込み戸にすると、間口の3分の2まで通行の幅を拡げられたり、荷物の搬入時には、引き戸を取り外せば間口いっぱいまで開放できるという解決策もあります。

引き戸には戸車式と上吊り式の2タイプがあります。戸車タイプの場合は土間の砂などを噛んで動きが悪くなる弊害があり、上吊り式タイプの場合は隙間風が入りやすいという弱点があります。そしてどちらのタイプもドアに比べ、断熱・気密性と防犯性が不利ではあります。

玄関ドアと引き戸の採光や採風のしやすさ

玄関内に陽射しを採りこむことを考えると、ガラス面の多い扉の方が採り込みやすいのですが、反面として防犯性が損なわれる傾向となります。ランマや袖に窓を設ける場合は防犯ガラスを使用することも検討したいですね。また、採風タイプの玄関ドアや引戸もありますので、中間期の採風や換気にも有効です。

 玄関で長時間過ごすことはありませんが、玄関の造り方によって、暮らしやすさは変わってきます。

コラム 戸建て住宅の玄関はどう造る?

* 家全体の床面積とのバランスを考えた上で、玄関ホールと玄関土間の広さを決める
* 家族構成と暮らし方に合わせて最適な収納を設ける
* 玄関の出入りは、出入り口に使える間口の幅と両側面の壁の幅、前方のスペース、暮らし方や防犯性などに配慮して、引き戸かドアを選ぶ

玄関の造り方を考える際には、様々な観点から考えて、使いやすい玄関を計画していきましょう。

施工事例

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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