“小さい家”の間取りポイントを建築士が解説|平屋・2階建てケース別のコツ

小さな家の魅力とは?

最近、“小さい家”を建てたい方が増えています。

しかし、単に間取りを縮小するだけでは、居心地の良い住まいになりません。

小さい家ならではのポイントがいくつもあるため、それらを押さえた間取り構成が必要です。

そこで、「小さい家」の人気が高まっている理由や、平屋建て・二階建てそれぞれの間取りポイントを建築士が解説します。

私たち“蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所”の施工事例写真を交えてお話ししますので、ご自宅の新築・リノベーションを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント
● 小さい家には、コスト面だけではなく快適性や省エネ性においてもメリットがあります。

● 小さい家を建てる際には、階数や敷地条件に合わせて間取りのポイントを押さえることが重要です。

● 私たち“蓮見工務店 + 蓮見建築設計事務所”は、「手作りの家」をモットーに、設計事務所として培ったデザイン力と技術力を活かして、お客様のご要望を叶えた住宅を数多く手がけた実績があります。

 


目次


 

最近トレンドの「小さい家」や「狭小住宅」

小さい家・狭小住宅が人気の理由は?
薪ストーブに集う3世代の家

“小さい家”や“狭小住宅”と呼ばれる家に、明確な条件はありませんが、15坪(約50㎡)以下の敷地に建てられる家、もしくは広い敷地でも建築面積が7坪(約23㎡)以下の家を指すのが一般的です。

その流行は日本国内のみならず世界中に浸透しており、名だたる建築家も“小さな家”の設計に取り組んでいます。

ミニマルな生活がトレンドであることも一因と言えるでしょう。

関東では土地価格が高騰しているエリアが多く、さらに年々建築費用が値上がりしていることも無関係ではありません。(参考:国土交通省|建設産業・不動産業:不動産価格指数

これらの要因も相まって、「小さい家を建てたい」という方が増えているのです。

しかし、まだまだ「小さい家=窮屈」というイメージを持つ方も多いでしょう。

では、ここで国土交通省が定める「最低居住面積水準」を紹介します。

【世帯人数】
(全て大人の場合)
【最低居住面積水準】
(健康で文化的な住生活の基礎として必要な住宅面積)
単身 25㎡
2人 30㎡
3人 40㎡
4人 50㎡
(「国土交通省|住生活基本計画における「水準」について」をもとに作成)


これは最低基準を示したもので、当然ながら十分条件ではありませんが、大人4人世帯であっても、日常的な生活を送るのに最低必要な床面積は50㎡(約15坪)程度であり、実際に東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県内で建てられた持ち家の平均延べ床面積は、「80.26㎡(約24.3坪)」にとどまっています。(参考:国土交通省|一住宅当たり延べ床面積の都道府県比較


 

施工事例

 

「小さい家」のメリット

小さい家のメリット
田園風景に癒される焼杉板張りの家

ミニマリストの台頭や建築コストの高騰によって、小さい家に興味を持つ方が増えています。

では、ここで改めて小さい家のメリットを見てみましょう。

  • 総建築コストを削減できる
    (床面積あたりの単価は割高だが、総コストを抑えられる)
  • ハイグレードな設備や凝ったインテリアデザインを採用しやすい
    (総コストを抑えられるので、その分ディテールに予算を充てられる)
  • ランニングコストを削減できる
    (維持メンテナンス費用や光熱費を抑えられる)
  • 土地の選択肢が増える
    (建蔽率や斜線規制の影響を受けにくい)
  • 室内の動線が短くなるため、効率的な生活が送れる
    (家事の負担がかからない間取りやバリアフリーな間取りを実現しやすい)
  • 生活空間がコンパクトなため、家族とのコミュニケーションを取りやすい
    (常に家族の気配が感じられる)
  • 敷地面積によっては、庭などのアウトドア空間が充実する
    (建蔽率に余裕を持って家を建てると、隣家との距離を取れてゆったりとした家になる)
  • 省エネになる
    (空調機器の台数が少なく済む)
  • 大空間がなければ、構造強度的に有利である
    (シンプルな構造にしやすい)


このように、小さい家にはコスト面だけではなく、快適性や省エネ面でのメリットがあるのです。

 

施工事例

 

平屋建て・2階建て共通の“小さな家”間取りポイント

ロフト付き平屋住宅
穏やかな環境で紡ぐ、平屋での豊かな暮らし

“小さい家”といっても、平屋建てと2階建てでは間取りのコツが異なります。

ではまず、階数に関係なく押さえるべきポイントを紹介します。

廊下は最小限に

廊下は部屋の間を移動するのに欠かせないスペースですが、最低でも幅80cm、人が行き違えるほどゆとりを持たせるのであれば幅120cm程度のスペースが必要です。

幅80cmの廊下を2m作れば約1帖のスペースになりますし、幅120cmでしたら1.5帖の広さを確保しなくてはいけません。

そのため、床面積がコンパクトな“小さな家”の場合は、出来るだけ廊下の長さを短くする点がポイントとなります。

どうしても廊下を作らなくてはいけない場合は、収納スペースやワークスペースを兼ねるなど、“+α”の空間にすることをおすすめします。


壁付けキッチンで省スペースに

対面式のオープンキッチンが人気ですが、アイランドキッチンですと四方に人が通れる程度のスペースが必要ですし、一面が壁に接しているペニンシュラキッチンでもやはり周りにまとまった空間が必要です。

そのため、小さい家ではうまく配置できないケースも少なくありません。

小さい家のダイニングキッチンを検討する際は、まず最もスペースをコンパクトに凝縮できる壁付けキッチンで検討してみましょう。

どうしても対面キッチンにしたい場合は、ダイニングテーブルを置かなくても食事できるように、カウンター付きのタイプがおすすめです。


窓の配置にこだわる

コンパクトな室内空間は、どうしても圧迫感が出がちです。

そのため、ぜひ窓計画にもこだわって見てください。

前面道路からある程度距離が取れる場合は、庭と一体感が得られる大開口サッシがおすすめです。

狭小地で外からの視線が気になったり、隣家との距離が狭くてあまり日射を取り込めなかったりする場合は、ハイサイドライト(高窓)やトップライト(天窓)を採用してみましょう。その場合は、夏場の日射遮蔽への配慮を忘れないことが必須です。

ハイサイドライト
(引用:LIXIL
トップライト
(引用:LIXIL


窓の高さを一般的な腰窓から変えるだけで、自然光の入り方が全く変わります。


収納をまとめる・小屋裏や床下も利用する

小さな家で最も懸念されるのが、収納が狭くなるという点。

確かに、住空間を優先させると影響を受けるのがクローゼットなどの収納スペースです。

効率よく空間割りをするために、収納スペースは出来るだけまとめると良いでしょう。

各部屋にクローゼットを設けるよりも、一ヶ所にまとめてファミリークローゼットにする方が、無駄なく空間を活用できます。

また、小屋裏や床下を利用するのもおすすめです。

ただし、小屋裏や床下は居室よりも温度調節や換気が不十分になりがちなので、収納するものは十分検討してください。
その点では、床下エアコンや小屋裏エアコンといった、全館空調を採用するのも良いでしょう。

造作家具を取り入れる

コンパクトなスペースにうまくフィットする既製家具を見つけるのは、そう簡単ではありません。

どうしても小さなデッドスペースがあちこちにできてしまいます。

そこでおすすめなのが、空間に合わせてオーダーメイドする造作家具です。

造作家具を取り入れると、無駄なスペースができませんし、使う人の体型に合わせることや、床・壁・天井などの内装仕上げとトータルコーディネイトすることもできます。

ただし、造作家具まで請け負える建築会社は限られるため、事前に対応できるかどうかの確認が欠かせません。

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アウトドアリビングや2階リビングで圧迫感・閉塞感を軽減する

アウトドアリビングとは、リビングに面した部分にウッドデッキなどの屋外空間を作り、アウトドア空間でもくつろげるようにする手法です。

リビングの床レベルとウッドデッキなどの高さを揃え、大開口でつなげることで、屋内外の一体感が増し、視覚的に広々ゆったりとした印象になります。

小さい家では広いリビングを確保することが難しいですが、アウトドアリビングと合わせた空間をくつろぐ場所とすると、一気に開放感のある住まいに仕上がります。

狭小地で隣家が迫っている場合やウッドデッキなどを作る場所が取れない場合は、思い切ってリビングを2階に配置するのもおすすめです。

ただし、将来バリアフリー住宅にしたい場合は、じっくり検討してください。

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間仕切り壁を造らず空間を緩やかに繋げる

木造住宅の間仕切り壁は、最低でも厚さ130mm、12cm角の柱を用いた壁ですと厚さ145mm程度になります。

床面積が限られる小さい家においては、壁一枚のスペースでも決して無駄にできません。

そのため、間仕切り壁を設ける場所は最小限にして、スキップフロアや小上がりなどで床レベルを変えたり、格子や建具、家具で空間を区切るなど、緩やかにゾーニングするのがおすすめです。

視線を遮りつつも空間がひと続きになるため、開放的な印象になります。

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梁見せ天井・勾配天井で室内容積を増やす

室内空間において、床面積と天井高のバランスはとても重要で、単純に天井が高ければ開放感が増すというわけではありません。

ただ、狭い部屋では、ある程度天井を高くして室内容積を増やすと、心理的にゆったりとした空間にできます。

天井高を高くする方法として「吹き抜け」もありますが、こちらは上階の床面積が減ってしまうため、小さい家に採用する際は慎重に検討しなくてはいけません。

そのため、梁を見せる天井や、屋根勾配に合わせて傾斜をつける天井がおすすめです。

梁見せ天井は、小さい家だけではなく、無垢材をふんだんに使うウッドインテリアにこだわりたい方からも人気です。

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空間用途を決めない・可変性のある間取りにする

空間用途を限定しすぎると、ライフスタイルや家族構成が変化した際に対応できません。

限られた空間を有効活用することが求められる小さな家においては、多目的な空間や可変性のある空間を作るのがおすすめです。

例えば、間仕切りを後から追加しやすい、もしくは、撤去しやすい間取りの工夫や、開閉壁(スクリーンウォール)を取り付けてシーンに合わせて使い方を変えられる方法を採用してみましょう。

スクリーンウォール
(引用:Panasonic

 

 

施工事例

 

平屋建ての“小さな家”間取りポイント

平屋建ての小さな家・間取りポイント
緑の庭を望む大開口リビングの家

小さな平屋建ての家を建てたい場合は、ぜひ以下のポイントも間取りに取り入れてみてください。

室内窓で満遍なく採光・通風を確保する

平屋住宅は2階建て住宅よりも外部に面していない部屋ができやすく、場所によっては陽の光や自然光が届かなくなってしまいます。

そこでおすすめなのが、最近流行っている「室内窓」です。

間仕切り壁に開閉式の窓を取り付けることで、外窓のつけられない部屋にも採光や通風を確保できます。

室内窓を採用すれば、日中でも暗くなりがちな廊下にまで太陽の光が差し込みます。

(引用:Panasonic)

 

バリアフリーを意識する

小さな家、特に平屋建ての場合は、生活動線をコンパクトにできるため、バリアフリーに適しています。

このメリットを活かすべく、小さな平屋建ての家を建てる際には、段差や開口幅などもじっくり検討して、車椅子での生活も想定したプランニングを意識してください。

もちろん、室内だけではなく玄関アプローチの計画も重要です。

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施工事例

 

2階建ての“小さな家”間取りポイント

二階建ての小さな家・間取りポイント
屋根組と開放的ホールが特徴の家

2階建てにする場合は、平屋建てよりも敷地面積に対する床面積の余裕が大きくなる一方で、上下階の移動が発生するため、空間の配置が生活利便性に大きく影響します。

平屋と異なるポイントをチェックしましょう。

キッチン以外の水回りと寝室を2階に

建築面積の狭い小さな家でゆったりとしたLDKを確保したい方は、浴室・洗面脱衣室と寝室やクローゼットを2階にまとめるのもおすすめです。

入浴から就寝、洗濯から片付けまでを2階で完結できます。

また、将来足腰が不自由になっても介護する際の上下階移動を最小限に抑えられます。


階段下を有効利用する

階段下のまとまった空間は、ぜひしっかり活用してください。

収納スペースとして使うのが一般的ですが、最近増えているスケルトン階段の場合は階段下がオープンになるため、雑物をしまう場所としてはあまりおすすめできません。

座った状態で作業するワークスペースや、ペットのためのスペースにするのがおすすめです。

小さいお子さんのプレイエリアとする事例もあります。


リビング階段にして吹き抜け代わりにする

リビングの一角に階段を設ける「リビング階段」にすると、階段上部の空間が吹き抜け代わりになり、開放感をプラスできます。

また、2階の個室に行く際に必ずリビングを通るため、家族の距離感が近づく点もメリットです。

ただし、リビング・階段室・2階ホールの空間がつながるため、家の断熱性を高めて空調効率が下がらないように配慮しなくてはいけません。


施工事例

 

狭小地と広い敷地では間取りポイントが違う場合も

ダークグレーのシックな外壁が特長的な大屋根の家

“小さい家”を建てる場合、狭小地でやむを得ず小さい家にするケースと、余裕のある敷地に敢えて小ぶりな住宅を建てるケースに分けられます。

小さい家にしたい理由によって、間取りのコツが異なる可能性があるため注意しましょう。

例えば、狭小地ではアウトドアリビングを取り入れることが難しい場合がほとんどなので、上階にリビングを配置してルーフバルコニーなどで外とのつながりを作る方法がおすすめです。

また、窓計画も隣家が近い土地と家の周りにゆとりがある土地ではプランが異なります。

つまり、「なぜ小さい家にしたいのか」を明確にして、家の間取りを検討しなくてはいけないということです。

そのため、小さい家を建てたい方は、設計施工の実績がある会社に相談しましょう。

また、その土地の特性を知り尽くしているかどうかも会社選びの重要なポイントです。

 

“小さい家”の建設は実績のある工務店・設計事務所に

小上がり和室のあるリビング
『楽しむ家づくり』を満喫する、高性能住宅

後悔のない住まいづくりを実現させるためには、4つの要素を備える建設会社へ相談することがポイントです。

  • 長寿命で高耐久な構造計画
  • 機能的で無駄のない動線を踏まえた間取り計画
  • 温もりや居心地の良さを感じられる内装デザイン
  • 住む人の健康を維持するための材料・設備選び


その全てを兼ね備えた住宅づくりは、設計事務所の設計力だけでも工務店の施工力だけでも叶いません。

「長く安心して住み続けられる住宅にしたい」という方は、丁寧に要望に耳を傾け、専門的な知識を踏まえたプランを提案してくれる設計者や施工会社に相談しましょう。

私たち蓮見工務店は、設計事務所としての経験や知識を踏まえ、お客様に心から安心していただける住まいづくりを徹底しております。

また、常に最新技術にも目を向け、その時に出来うる限りのご提案をさせていただきます。

私たちが“年間限定6棟宣言”をしているのは、お客様ひとりひとりと真正面に向き合っていきたいから。

デザインと性能、快適さの全てを持ち合わせた家を埼玉県で建てたい方・リフォームしたい方は、ぜひ「蓮見工務店」までお問合せください。

 

施工事例

 

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、そして設計事務所として培ってきたデザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」

「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。

私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、お客様の一棟に全力を注いでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築をご検討中の方は、これまでに携わったお宅をご見学ください。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、木にしか出せない香り、温かみのある手触り」や「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、パッシブデザインの良さ」を感じて頂けるはずです。

ぜひ、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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