勾配天井の平屋を後悔しない家にする間取りの考え方

勾配天井の平屋を後悔しない家にする間取りの考え方

子育ての時期から終の棲家となるまで人生のどのステージにおいても暮らしやすい平屋は、多くの人に好まれる一方、日当たりや風通し、居住面積などで問題になりがちな点もあります。その問題点を解消する手法として勾配天井があります。ただ、勾配天井には暑い、掃除がしにくいなどの別の問題が出てくる可能性があります。後悔しない為のポイントを確認していきましょう。

勾配天井が平屋に与えるメリット

梁を見せる仕上げの勾配天井

光と風と板塀の平屋の家

勾配天井とは屋根の傾斜を活かした天井のことです。天井面が水平になった平天井の住宅が一般的ですが、傾斜した天井は昔からの住宅にも多く使われています。伊豆の国市韮山の江川家住宅の事例はとくに有名で、とても魅力的な空間です。同じ面積の部屋であっても勾配天井によって縦の空間が拡がっていると、空間的ボリュームの拡大と光や風の往き来による開放的な雰囲気が生まれます。そしてそれだけではなく、縦方向への拡がりが、平屋が持ついくつかの問題を解決する可能性にも繋がります。

参考サイト 重要文化財 江川家住宅

日当たりが良くなる

平屋は、二階建てと同じ床面積であれば、同一階での床面積が大きくなり、家の中心部に陽射しが届きにくいという問題点生じます。陽射しが十分に届き、晴れた日の昼間には照明をつける必要がない、冬には暖かさも得られるという状態は、暮らしの快適さにも省エネにも、何ものにも代えがたい大切なポイントです。

その為、平屋の計画を進める際には、平面計画上、敷地面積や敷地周辺の環境に合わせて、中庭を造る、L字型にするなど様々な工夫がされます。一方で立体的な工夫の一つが勾配天井です。勾配天井にすることによって、高い位置に窓が設けることが可能になるからです。高い位置に窓を設えると、近隣建物の2階屋根に遮られることなく、長時間陽射しを得られるので、日当たりの良い家が生まれます。

窓は、住宅の形状や敷地周辺の環境に合わせて、高い位置に設ける大開口や横長のハイサイドライト、傾斜面に設けるトップライトなどの中から最適なタイプを選ぶことが大切です。

風通しが良くなる

風は同じ対面の窓であっても、高低差があると、より通り抜けやすくなる性質があります。外気より室内が高温の場合、低い位置の窓からの涼しい風は室内の熱を吸収すると軽くなり、上昇しながら高い位置の窓へと抜けています。すると部屋の低い位置の気圧が下がり、より低い窓からの涼しい風をよぶという現象が起き、風の通り道が拡がり、室内の熱が高い窓から外に排出されるのです。

プライバシー確保と窓からの景観が両立できる

平屋には、敷地面積や敷地周辺の環境によっては、通りからの視線、隣家の2階からの視線が入りやすく、プライバシーが維持しにくいという問題点もあります。日当たりと風通しの為には窓を設けたい、外部からの視線を考えると窓は設けたくない…と相反するので、両方を理想的な状態にする難しさがあります。

加えて、窓には日当たりと風通し以外にも、庭や空の景観を室内に採り入れ、暮らしを豊かにするという役割もあります。視線を気にして窓の少ない家にする、窓は設けてもシャッターを下ろしたままにしておくという暮らしは、身体にも心にも健康的ではありません。

勾配天井を活かした高い位置に設ける窓であれば、外部からの視線が気になりません。トップライトなら、星空を楽しむこともできるでしょう。視線は気になるけれど、庭の草花が見えるようにしたいという場合には、高い窓の他に、地窓という低い位置に窓を設けるという考え方もあります。

室内の雰囲気を向上させる

勾配天井には構造部の梁や柱を見せる仕上げと、クロス張りをする仕上げ、クロス張りした上で化粧梁を設ける仕上げがあります。内装に合わせて適切な仕上げを選ぶことで、インテリア性が向上します。梁を見せる仕上げにすると、無垢材の美しさがインテリアのアクセントにもなります。

 屋根には家を風雨や紫外線から守ると同時に、軒の出による日射遮蔽機能や断熱機能によって室温の調整をするという役割もします。そして屋根の形や色は、住宅の外観デザインにも大きく影響します。屋根の形や屋根の高さによって変わる屋根勾配は、外観だけではなく、家の中の空間の広がりも変わってきます。平屋に合う屋根はどのような形の屋根なのでしょうか?

コラム 平屋の屋根にはどんな種類がある?おすすめの形は?

勾配天井の平屋をロフトのある間取りにする場合の考え方

勾配天井を活かしたロフトのある平屋

本格和風テイストの平屋の家

同じ敷地面積に建てる家の場合、平屋は総2階建ての家のおよそ半分しか床面積が得られません。その為、平屋にしたいけれど、十分な居住面積が得られないのでは…と心配されることもあるのではないでしょうか?子ども部屋か書斎のどちらかにしよう、収納は必要最小限に抑えよう…といった解決策を計画されることもあるでしょう。

このような場合、2階建ての家ほど床面積を増やすことはできませんが、ロフトを設けることで、居住スペースや収納スペースに当てることができます。ロフトには2つの造り方があります。ひとつは小屋裏収納にする方法、もう一つはロフト風空間にする方法です。

小屋裏収納にする場合は、建築基準法と自治体が定めるルールに従って造ります。天井高を1.4m以下にしなければならない等、様々な規制がありますが、床面積に算入されないので、固定資産税を抑えられるというメリットもあります。固定階段の設置の可否など、自治体によるルールを確認したうえで使いやすい計画が大切になります。

一方、階数や床面積として算入されるロフト風空間にする場合は、様々な規制がないので、自由な空間が造れます。特に、部屋として使いたい場合には、居住性に大きな影響のある天井高や窓のサイズ、コンセントの位置などに制約がない分快適な空間が造れます。ただ、階数や床面積に算入されるので、階段の幅などの寸法の確保が必要になると共に、固定資産税の課税対象にもなります。

平屋では足りない床面積をどのようにして補うのか小屋裏収納やロフト風空間を設けるにあたっては、使用目的を明確にして、どちらの方法で計画を進めていくのかということを、施工を依頼する工務店と十分に話し合うことが大切です。

 平屋を建てたいと希望されるご家族の懸念の一つは床面積ではないでしょうか?総2階建ての家に比べれば、2分の1の床面積になってしまうからです。その懸念を解消する方法のとして、ロフトを活用する間取りが挙げられます。ロフトは使いにくいと思われている方も少なくありませんが、固定階段にすれば安全に活用できます。

コラム 平屋のロフトを使いやすくする固定階段

平屋の勾配天井に後悔を感じる原因と解決法

木製デッキ越しに庭をのぞむ平屋の家

木製デッキ越しに庭をのぞむ平屋の家

勾配天井は、住宅の断熱性と間取り、空調の方法、屋根の高さによって、暮らしにくさと外観デザインの不自然さを生む恐れがあります。どれも暮らし始めてから後悔に繋がる要素です。

勾配天井の平屋は暑い

平天井の場合、屋根と室内の間に天井で区切られた空間があり断熱材の設置スペースが確保できると共に、この空間を十分に換気することにより屋根からの熱と、室内からの湿気を排出することが出来ます。しかし、勾配天井の場合、断熱材の設置スペースと天井裏の換気経路が取りづらく、断熱性能と排熱換気量の不足により、夏の室温上昇の懸念があります。また、換気量の不足は湿気の滞留による内部結露の発生にもつながります。トップライトを設置した場合は、よりこれらの危険性は高まります。

これらの現象を防ぐ為にはしっかりと断面構成を検討し、遮熱性能や反射率の高い屋根材を採用し、高性能な断熱材により断熱性能を高める。計画時における結露計算による確認と防湿気密層の確実な施工が不可欠になります。トップライトは基本的に採用すべきではありませんが、どうしてもをつけざるを得ない場合は、東、南、西は避け、北向きに設け、専用の日除けを備えるなどの対策が必要です。

勾配天井の平屋は寒い

勾配天井で立体的な広がりを設けた建物では、断熱性能が十分でないと上下温度差が大きくなり、冬は暖かい空気が天井付近に昇って停滞し、足元が冷える、暖房の効きが悪いといった状態になってしまいがちです。このような状態を避けるためには、先ず建物の断熱気密性能をしっかりと確保し、その上で家の中の空気を循環させる間取りにする、シーリングファンなどで高い位置に停滞する暖かい空気を攪拌する、床暖房や床下エアコンに代表される低い位置からの暖房計画などが必要です。

屋根の高さと外観デザインの関係

屋根の最も高い部分である棟が高くなるほど、傾斜角が大きくなり、室内の空間が拡がります。特にロフト風空間を設けることを計画する場合、天井に圧迫されなくなるので使いやすくなります。また、雨水を屋根に滞らせず流し出すという屋根の持つ重要な働きの効率が上がるという良さもあります。

一方、屋根の棟が高くなり傾斜角が大きくなるほど、施工もメンテナンスもしにくくなっていきます。台風の際には、風から受ける負担が増加します。また、外観デザインを不自然にしてしまう恐れもあります。

室内の空間は、屋根の高さと傾斜角度によって、印象も暮らしやすさも変わるということを念頭において、家全体の外観デザインとのバランスや、掃除やメンテナンスの方法について配慮しながら計画を進めていくことが大切です。

 縦に拡がる空間を持つ家を最小限の冷暖房で、夏は涼しく、冬は暖かい家にするためには、どのような点に注意しなくてはならないのでしょうか?

コラム 吹き抜けがあっても寒くない家を建てたい

施工事例

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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