新築時に活用したい2021年グリーン住宅ポイント

南側大開口とリビング吹抜の家

コロナによる経済の落ち込みの中、住宅を購入する人を支援する、エネルギーを節約できる住宅を増やす、東京圏や災害の危険がある地域からの移住を支援する、経済の回復を図る、という目的を持った「グリーン住宅ポイントによる環境対応等住宅需要喚起対策事業」の完了前ポイント発行申請の受付が始まりました。完了後ポイント発行申請の受付は5月6日に開始予定です。

グリーン住宅ポイント発行申請期限は、令和3年10月31日なので、それまでに契約をする必要があります。ただし、令和2年度第三次補正予算で決定した1,094億円まで、予想より早く達した場合、締め切り期日が早まるかもしれません。

また、このグリーン住宅ポイント制度は、昨年の次世代ポイント制度とは、異なる部分が複数あります。グリーン住宅ポイントの対象は、①新築住宅の建築・購入②既存住宅の購入③リフォーム工事④賃貸住宅の建築です。この中で、新築住宅の建築・購入の詳しい内容について確認していきましょう。

新築住宅の建築や購入で発行されるグリーン住宅ポイントの条件

和風の長期優良住宅

化粧垂木の大屋根の長期優良住宅

新築する注文住宅に、発行されるグリーン住宅ポイントの条件は、リフォームや、中古住宅で発行されるグリーン住宅ポイントの条件に比べると、非常にシンプルです。

新築する住宅が自分たち家族の住む家であること、一定の省エネ性能を満たしていること、2020年12月15日〜2021年10月31日の間に、契約締結されていることの3つです。

この3つの条件の中の一定の省エネ性能を満たしている住宅は、省エネ性能の高さによって、2種類に分けられており、ポイント数が変わります。

高い省エネ性能等を有する住宅 40万ポイント

対象になる住宅は、認定長期優良住宅、認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅、ZEHのうち、いずれかの住宅であることです。

認定長期優良住宅

長期優良住宅認定制度の基準を満たしていることを認定されている住宅です。長期優良住宅認定制度の基準とは、将来のバリアフリーリフォームに対応できるバリアフリー性、間取り変更のしやすさなどライフスタイルの変化に応じられる可変性、耐震等級2以上、または免震建築物などの確実な耐震性、4以上の省エネルギー対策等級、地域の居住環境に配慮されている、定期的な点検、補修などの.維持保全計画、内装や設備の維持管理のしやすさ、床下空間330mm以上確保、劣化対策等級3相当など数世代に渡って使用できる構造躯体、75m2以上住戸面積、一定の省エネ性能です。

認定低炭素建築物

低炭素建築物とは、都道府県、市又は区などの所管行政庁が、省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が10%以上抑えられていることを認定した建築物です。

具体的には、エネルギーを創る太陽光発電と、外皮平均熱貫流率計算による性能規定もしくは、天井断熱180ミリ、外壁断熱100mm、床断熱100mmなどの仕様規定を満たし、南側窓の軒ひさし、複層ガラス、断熱サッシの窓、高効率給湯器などの消費エネルギーを抑える対策を備え、節水対策、エネルギーマネージメント、ヒートアイランド対策、建築物の低炭素化のうちの2つ以上を選択的項目として満たしている住宅です。

節水対策には、① 節水できる水栓、便器を半数以上採用している、食器洗い機を設置している ② 雨水、井戸水、または雑排水利用の為の設備を備えている、エネルギーマネージメントには、③ HEMS、またはBEMSを設置している④ 太陽光発電や蓄電池を設置している、ヒートアイランド対策には、⑤敷地面積の10パーセント以上を緑地、水面、日射反射率の高い舗装のいずれかが占める、屋根を緑化、または屋根の20%以上を日射反射率の高い屋根材を使う、外壁の10パーセント以上を壁面緑化するといった措置があります。建築物の低炭素化には、⑥住宅の劣化を軽減する措置を講じている⑦木造住宅、または木造建築物⑧高炉セメントまたは、フライアッシュセメントを構造体力錠主要な部分に使用しているといった対策があります。

選択的項目では、以上の①~⑧の他に、標準的な建築物と比べて、低酸素に資する建築物として所管行政庁が認めるものという項目もあります。

性能向上計画認定住宅

性能向上計画認定住宅とは、都道府県、市又は区などの所管行政庁が、エネルギー消費性能向上計画(外皮基準と一次エネルギー消費量基準)が誘導基準に適合している認定した建築物です。低炭素住宅との違いは、低炭素化対策が設定されていない部分です。

参考資料 エコ町法に基づく低炭素建造物の認定制度の概要

ZEH

ZEHは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。具体的には、太陽光発電などで自然のエネルギーから自宅で消費するエネルギーを創り出して蓄電、高断熱化や省エネ家電などによってエネルギーの消費を抑えるという組み合わせで、家庭で消費するエネルギーをプラスマイナス0にする住宅です。

参考サイト 経済産業省 資源エネルギー庁 家庭向け省エネ関連情報

省エネ基準(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上)に適合する住宅 30万ポイント

断熱等性能等級4とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定されている等級で、省エネ基準としては最高等級とされています。

一次エネルギー消費量等級4 冷暖房、換気、給湯、照明の設備が消費するエネルギーの量に対する等級です。認定低炭素建築物は、最高等級5ですが、省エネ基準に適合する住宅には、4が求められます。

参考資料 省エネルギー性に関する基準

ポイントが加算される特例

3世代が集うぬくもりの木の家

3世代が集うぬくもりの木の家

グリーン住宅ポイントには、ポイントが加算される特例があります。

東京圏の対象地域からの移住のための住宅

東京23区内に居住している、または東京圏に居住し、東京23区内に通勤している人が、東京圏以外の地域に移住する為に住宅を新築する場合、ポイントが加算されます。

高い省エネ性能等を満たす場合には、60万ポイントを加算(合計100万ポイント)一定の省エネ性能を満たす場合には、30万ポイントを加算(合計60万ポイント)が発行されます。

東京圏には、東京都の他に、埼玉県、千葉県、神奈川県が含まれますが、それぞれの地域の中にある条件不利地域は、移住前の対象地域から外れます。

東京都
檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ケ島村、小笠原村

埼玉県
秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、小鹿野町、東秩父村、神川町

千葉県
館山市、勝浦市、鴨川市、富津市、いすみ市、南房総市、東庄町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町

神奈川県
山北町、真鶴町、清川村

多子世帯が取得する住宅

3人以上の18歳未満の子を有する世帯の場合は、ポイントの加算が受けられます。

高い省エネ性能等を満たす場合には、60万ポイントを加算(合計100万ポイント)一定の省エネ性能を満たす場合には、30万ポイントを加算(合計60万ポイント)が発行されます。

三世代同居仕様である住宅

キッチン、浴室、トイレ、玄関のうちいずれか2つ以上が複数個所あり、完全分離型とは違って、家の中で行き来できる間取りの三世代同居仕様住宅には、ポイントが加算されます。

高い省エネ性能等を満たす場合には、60万ポイントを加算(合計100万ポイント)一定の省エネ性能を満たす場合には、30万ポイントを加算(合計60万ポイント)が発行されます。

災害リスクが高い区域からの移住のための住宅

2020年12月15日時点で災害リスクの高い区域内にある住宅から、災害リスクの高い区域外に移住する場合に加算を受けることができます。

災害リスクの高い区域とは、土砂災害特別警戒区域、または建築禁止災害危険区域です。

高い省エネ性能等を満たす場合には、60万ポイントを加算(合計100万ポイント)一定の省エネ性能を満たす場合には、30万ポイントを加算(合計60万ポイント)が発行されます。

ポイント発行に必要な工事完了報告期限

ポイントの発行申請は、工事完了後に行います。工事完了報告期限は、戸建てとマンションでは異なり、注文住宅のポイント発行に必要な工事完了報告期限は2022年4月30日です。

既に、新築住宅の完成前に、提出する完了前ポイント発行申請は、3月29日から始まっています。現在、新築住宅の計画を進められていらっしゃる方で、グリーン住宅ポイントを利用したい場合には、施工を依頼している工務店に相談してみてください。

参考サイト グリーン住宅ポイント制度が始まります

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住まいの知恵袋、家づくり問題解決仕事人

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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