円安による資材高騰や品不足の新築住宅への影響

円安による資材高騰や品不足の新築住宅への影響

円安が非常な勢いで進み続けています。円安によって打撃を受けている業種は多々ありますが、資材高騰や品不足は新築住宅の建築にも影響が与えています。円安が急激に進み始める以前から、ウッドショックによる資材高騰や品不足が発生していたので、円安が追い打ちをかけた状態になっています。

そして、円安もウッドショックも先行きの見通しのきかない状態です。加えてコロナ禍の再拡大という不安要素も絡み、資材高騰や品不足が解決する目途は立っていません。新築住宅にはどの程度の影響があるのでしょうか?

円安のこれから

窓から緑を眺めて暮らせる家

円安が急激に進んでいる状況の原因の一つには、日本とアメリカの金融政策の違いが挙げられます。日本では景気浮揚を目的に、日銀が金融緩和という方針を続けています。国債を日銀が購入することを通して、大量のお金を市場に供給しています。また国債の利回りおよびそれに連動する長期金利を低く抑える効果により、企業などの投資を促し、景気を下支えする狙いがあるのです。一方、アメリカでは中央銀行にあたる連邦準備制度理事会FRBが、アメリカ経済の回復や原油価格の上昇などによるインフレ懸念への対応として、量的緩和をやめ金利上昇を誘導しています。2%台だった30年固定住宅ローンの金利は現在5%を超えてきており、今後も政策転換の気配は見えません。

この方針の違いによる金利差が利回りの良いドル買いを生み、円安ドル高に拍車をかける状況を生み出しています。専門家の中には、しばらくはアメリカの物価上昇と大幅利上げが続くだろうという意見もあり、そうなればその期間は円安が続くことになるでしょう。

アメリカの物価上昇のピークが過ぎたとしても、一気に物価上昇が止まるわけではありません。日銀が景気を上向かせるために行う金融政策として金融緩和を続ける、ウクライナ侵攻の悪影響によりユーロ圏の経済が不透明などの状況が続くなどを考えあわせると、年末までは少なくとも130円台が続くのではないでしょうか?黒田日銀総裁の任期満了が近づき政策が変わる、アメリカで利下げが始まるなどの状況になれば、違う結果になることも考えられますが、金融機関などが保有している国債の市場価値が下がれば、日本経済に大きな影響が出てくるという問題もあります。

従って、現在円安による資材高騰が進む中、新築住宅は見合わせるべきなのか…という疑問に対しては、いつ経済が元の水準になるのか、適正な為替基準がわからない、という状況で明確な答えが出せないというのが現状です。

参考サイト 日本銀行 金融政策は景気や物価にどのように影響を及ぼすのですか?
参考サイト ITmedia 「家計の値上げ許容度も高まってきている」黒田総裁発言の波紋

施工事例

ウッドショックのこれから

和風テイストの越屋根の家

日本の住宅はその多くが木造住宅であり、日本には豊富な森林があるという状況であるにもかかわらず、日本では価格優位性から木材を輸入に頼って調達してきました。その結果、木材の調達に関して世界情勢の激変の煽りをもろに受けてしまっている状態です。

しかも、ウッドショック発生直後に、日本は買い控えをしてしまったために、痛手が大きくなってしまいました。また、輸入木材の高騰の影響で、国産材の需要が増え、価格も上昇してしまっています。

世界的にウッドショックが発生している原因には、複数の要素が絡み合っています。

アメリカや欧州での木材需要の拡大

低金利政策やコロナの影響でリモートワークが増えたことから、アメリカでは家を建てる人が急増していることに加え、大規模な森林火災の発生もあり、木材の需要が大幅に伸びています。欧州においても、建築物の木造化への大きな流れにより木材の内需が拡大しており、日本の多くの住宅で使用されてきた欧州材が輸出し辛い状況となっています。

コンテナ不足

アメリカと中国の貿易摩擦の緊張が高まっていることや、コロナの影響でコンテナの生産量が減少しています。さらに中国が大量に産業用丸太を輸入する為コンテナを買い集めていることや、コロナの影響でコンテナに関わる労働力が減少したことも、コンテナによる配送に混乱をきたしました。

ロシアによるウクライナへの侵攻

ロシアの木材のおもな輸出先は中国とEUです。特にEU諸国の多くは、今回のロシアによるウクライナへの侵攻に対して反対の立場をとっています。そのような国々は非友好国としてロシアからの木材を輸入できなくなっており、ベラルーシやウクライナからの輸入も含めるとEU圏における輸入先の実に75%ほどにのぼります。その結果、EUの主な輸出先でもある日本にも多大の影響が危惧されるのです。

このような状況を考えあわせると、ウッドショックの影響による資材高騰が止まる時期がいつになるのかは、なかなか予測がつきません。

参考サイト 経済産業省 どうなったウッドショック;価格の高止まりが需要を抑制?

2021年に始まったウッドショックは2020年も後半にさしかかる現在、見通しが立たない状況にあります。日常生活にはそれほど影響がないというご家庭も多いと思いますが、これから家を建てようと計画しているご家族には大きな影響があります。ウッドショックの原因と、現在発生しているウッドショックによる悪影響について確認していきましょう。
コラム ウッドショックの原因と日本の状況2022からの見通しは?

施工事例

新築住宅を建てる時期がいつから?

ビルトインガレージと木塀のある家

円安の行方もウッドショックの行方も分からない、世界ではいつどこで紛争が起こるかもわからない…という状況を分析することは、新築住宅を建てる時期の参考にはなりません。そもそも世界の経済の動向を確実に知ることは、専門家であっても不可能です。

では、こんなに住宅の価格が高騰している現在、何を頼りに新築住宅を建てる時期を判断したらよいのでしょうか?このまま上がり続けてから新築すると、十分な居住面積が得られない規模の住宅、又は利便性や周辺環境の良さをあきらめた敷地など、妥協点の多い家しか建てられなくなってしまうかもしれないから急ごうと思う一方、ここ数年間上昇し続けていた住宅の価格が急に下降し始めたということになるなら待つ方が賢明かもしれない…とも思い迷いが尽きないと思います。

ただ、世界情勢や日本の経済を見極めてから…と考えていると、時期を逃してしまうという懸念があります。手持ち資金で土地も住宅も賄える、又は数年の住宅ローンで済むという場合には、時期を逃す心配はないかもしれません。一方、20年から30年以上の期間で返済していく住宅ローンを組むという一般的な家庭には、住宅ローンを始める時期が遅くなるほど、厳しい状況が生まれます。定年退職までに返済が終わらない、返済可能期間が短くなり月々の返済額がとても大きな額になり審査が通らない、といったことになってしまうからです。金利に関しても、国際的な状況から、いつまでも日本だけ現在の超低金利を続けるのは難しいのではないかとの意見もあります。

また、賃貸住宅の家賃を支払う期間が長くなるというデメリットもあります。特にコロナ発生以来、東京都下や埼玉県の家族向けの賃貸住宅の家賃は上昇し続けています。

参考サイト へーベルメゾン コロナ禍3回目の春、2022年春の家賃動向は!?

そこで考えたいことは、家族構成と将来の展望も含めた家族の暮らし方、家族の年収を基に資金計画を作成し、その計画に基づいて家を建てる時期を見極めるということです。世界情勢や日本の経済は、どんなに見極めようとしても、大災害や紛争など、明日何が起こるか、誰にもわかりません。

また、専門家と称する人の中には、利害の為の意見を述べる人もいないとは限りません。それよりも大切なことは家族の暮らし方と家庭の経済状態をしっかり把握してライフプランを検討し、新築住宅の計画を立てることです。

家賃が無駄になると考えたとしても、手持ち資金が少な過ぎれば住宅ローンが膨れ上がってしまうので、早めに新築住宅を建てることは危険です。その場合は中古住宅の購入+リノベーションという選択も視野に入れるべきでしょう。反対にある程度は溜まったがまだ不安がある、もう少し、もう少し…と石橋をたたいても渡らない状態が続くと時期を逃してしまいます。

参考サイト ヤフーニュース ウクライナショックで木材価格が高騰 今住宅を建てても大丈夫ですか?

現在は国が家庭でのエネルギー削減と空き家問題を解決する目的で、質の良い住宅を増やす為に様々な施策を行っています。2022年も後半に差し掛かっている現在、既に終了してしまった補助金もあるように、優遇制度や補助金にもタイミングがあります。そして新築する住宅の性能によって、受けられる優遇制度や補助金が変わってきます。

資金計画と並行して国や自治体から受けられる支援についても検討し、新築住宅の計画を進めることが大切です。また、住宅は建てる時だけでなく、住んでからもお金がかかります。光熱費のかからない若しくは太陽光発電などによりお金を生み出すような高性能な家、維持管理コストを最小限にするしっかりと設計された家、近い将来に必ず来るであろうといわれている大地震に遭っても住み続けられる家など、将来予測されることにしっかりと対応した住まいを作ることが、家族の生活の安全にとってとても大切なことになります。

家族にとって家はなくてはならない場所です。ご夫婦でしっかり話し合い、家族にとって最適な時期を見極めましょう。

こどもみらい住宅支援事業は、省エネ性能の高い新築住宅を建てたり、購入したりする子育て世代や若者夫婦に対しての支援と、リフォームで現在住んでいる住宅の省エネ性能を高めようとするあらゆる世代への支援を行う事業です。2022年度に新築住宅を建てることを計画している子育て世代や、若者夫婦が現時点で活用できる最大100万円の補助金です。
コラム 新築の補助金2022こどもみらい住宅支援事業
家族全員が居心地の良さを感じられる家とは、家族の自然な触れ合いがある家であり、家族それぞれが、プライベートな時間を持てる家でもあります。理想の暮らしを叶える家の広さについて、考えてみましょう。
コラム 家づくりの疑問 自分たち家族にはどのくらいの面積の家が必要?

予算内に収まる費用で、家づくりを進めていくためには、自分たち家族が、家づくりにかけられる費用を明確にすることが大切です。
コラム 注文住宅で初めにすることは「ライフプランを基にした資金計画」

施工事例

蓮見工務店の家づくりへの想い

注文住宅,家づくり,設計

私たち蓮見工務店は、「工務店」+「設計事務所」ならではの
手作りの家づくりときめ細かいアフターメンテナンス、
そして設計事務所として培ってきた
デザイン性、高性能な家を提供させていただきます。

「熱を集め、移し、蓄える」

「風を通し、涼を採り、熱を排出する」

「直接的な日射を避ける」 「断熱・気密性を高める」

などのパッシブデザインも積極的に取り入れ、
今まで多くの雑誌にも掲載していただきました。

快適で心地よい暮らしは、設計、性能、見た目のデザインなど、
全てのバランスで実現できます。

そして、経験豊富な職人の手によってカタチになるのです。
私たち蓮見工務店は、それらすべてにこだわり、
お客様の一棟に全力をそそいでまいります。

注文住宅やリフォーム、リノベーション、店舗などの建築を
ご検討中の方には、これまでに携わったお宅をご見学していただけます。

「木造住宅の視覚的な心地よさ、
木にしか出せない香り、温かみのある手触り」

「木の心地よさと併せて太陽の光などを取り入れた、
パッシブデザインの良さ」

を感じて頂けます。

ご希望などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

監修者情報

蓮見幸男

蓮見幸男

住宅に関するさまざまな事柄(耐震・温熱・耐久性など)を計算やシミュレーションにより可能な限り〝見える化"し、安心・快適な唯一無二の住まいをリーズナブルにお届けしたいと考えています。

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