【杢巧舎さんの「石場建て」現場、勉強になりました!】 フリーテーマ Vol.50
☝緑に囲まれ、チラ見の『国指定登録有形文化財 葉山加地邸』
いつも読んでいただき
ありがとうございます。
埼玉県北本市で
『学んで楽しむ家づくり』を
お届けしている
“住まいの知恵袋、
家づくり問題解決仕事人”
蓮見工務店社長 蓮見幸男です。
☝昨年の取材時に撮っていただいた1枚。
☝こんなお家つくってます。
北本市 T邸 階段ホール(2012年竣工)
≪30年後も、しみじみ
「良い家だ」と思える家づくり≫
を味わって貰いたくて
毎日書いているブログの
今日が903回目です。
先週のブログでもふれましたが
3日と4日に
「チルチンびと地域主義工務店の会」の
定期総会と、石場建て現場見学会があり
わたしも参加させていただきました。
4日の見学会は
神奈川県葉山市で建設中の
株式会社杢巧舎(もっこうしゃ)さんによる
伝統工法の石場建ての現場。
☝杢巧舎さんのHPより
伝統工法とはいえ
耐震性能は、限界耐力計算や
Wallstatによる時刻歴応答解析で
安全を確認しており
断熱性能も、UA値を算出して
義務化基準をクリアしてるとのこと。
そのあたりは、いつも協働されている
「悟工房」の、山中信吾さんが
しっかりと対応されています。
綺麗に掃除が行き届いた現場で、
働いている大工さんも
遣り甲斐とプライドを持って
作業されているのが
凄く伝わって来ました。
ひと通り見学が終わり
せっかく葉山まで来たので
ということで、
見学会場のすぐ近くにある
国指定登録有形文化財
『葉山加地邸』を
外からだけですが
見させて貰ってきました。
遠藤新さん設計による邸宅で
"ライトイズム"が感じられる
魅力的な建物。
1棟貸し切りで
6名迄泊まれるようなので
がんばって、いつかは
滞在してみたいものです。
ちなみに、料金は30万円オーバーです。
☝一休HPより
さて、毎週月曜日は
テーマを限らずに
わたしが感じたことなどを
ざっくばらんにお伝えする
“家づくりを『学ぶ』ブログ・フリーテーマ”
~工務店社長の「ちょっといい話」~
ということで
【杢巧舎さんの「石場建て」現場、勉強になりました!】
です。
今日は、見学させていただいた
「石場建て」工法の意義について
考えてみます。
「石場建て」とは
木造の土台や柱の下に
コンクリートの基礎を設けず
柱や束が立つ真下に
その負担過重に応じたサイズの
束石(といってもかなりの大きさです)を
埋め込んで
建物の重さを支える
という工法です。
基本的には、束石と木架構(上部構造)は
緊結しないので
大規模な地震や
超巨大な突風などを受けた際は
上部構造は、束石の上で
すこしズレることになります。
それが、一種の免震的役割を果たす
という事になるのでしょうが
そのことは、耐震性能の計算には
考慮せず
あくまで、保険的な要素として
評価しているようです。
建物を耐震要素(耐震面材や筋交)で
ガチガチに固めるのではなく
土壁で、しなやかに揺れを受け止める
という、
建物の靭性(粘り強さ)に依って
耐震性能を確保する考え方です。
ただある程度、揺れによる
ズレや変形を
受け入れるとすると
給排水管が壊れないようにしないと
いけません。
杢巧舎さんの現場では
その辺も抜かりなく
ちゃんと、フレキシブル管で
対応されてました。
それと、上部構造が変形すると
建物に隙間が出来て
気密性がかなり低下することになります。
それは、内部結露のリスクが
大きくなることや
室内の温熱環境が悪化することと
イコールです。
その解決策としては
・吸放湿性能の高い材料を使う
・蓄熱性を高めて、室温変化を緩やかにする
などが考えらえますが
杢巧舎さんの現場で使われる材料は
無垢の木(杉、桧などの針葉樹系がメイン)と
土壁(竹小舞)ですので
まさに、理に適っている
と言えます。
機械になるべく頼らず
工業製品は最小限に
地域で入手できる素材を
有効活用し
匠の技で、安心・快適な住まいを作る
とても素晴らしい
取り組みだと、勉強になりました。
そして、なにより
その製造に大量の熱とエネルギーが必要な
鉄筋とセメントの使用を
最小限に出来ることが
「石場建て」工法の
大きなメリットだと思います。
LCCM(ライフサイクル・カーボン・マイナス)
的な評価を採り入れることで
この工法の価値が
より際立ってくるのではないでしょうか。
杢巧舎さんの、今後の活動に
要注目です!
今日は、
‟【杢巧舎さんの「石場建て」現場、勉強になりました!】
家づくりを『学ぶ』ブログ・フリーテーマ 第50回”
~工務店社長の「ちょっといい話」~
というテーマで
先日見学させていただいた
神奈川県葉山町の
杢巧舎さんの現場で感じた
「石場建て」工法の意義について
ご紹介しました。
すべての経験を誇らしく感じ
思わず自慢したくなる
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提供し続ける
あなたにとっての
“オンリーワン・ビルダー”です。
これからも、住まいに関わる
さまざまな話題をはじめ
蓮見工務店、わたしについても
情報提供したいと思います。
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にも、さまざまな情報を載せていますので
参考にしていただければ幸いです。
このたび、温熱に関する、物件ごとの監修を
『松尾設計室』 松尾和也さんに、お願い出来ることになりました。
ご希望の方は、是非ご相談ください。
また、耐震構造に関しても
『構造塾』主宰 佐藤実氏に随時相談できます。
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