【腐らない木材って、あるのかな!?】構造編 Vol.37

アセチル化処理をはじめとする、防腐防蟻の新技術が生まれています。

 

いつも読んでいただき

ありがとうございます。

 

埼玉県北本市で

『学んで楽しむ家づくり』を

お届けしている

 

“住まいの知恵袋、
家づくり問題解決仕事人”

 

蓮見工務店社長 蓮見幸男です。

 

昨年の取材時に撮っていただいた1枚。

 

こんなお家つくってます。

北本市 H邸 洗面脱衣室(2005年竣工)

 

 

≪30年後も、しみじみ

「良い家だ」と思える家づくり≫

 

を味わって貰いたくて

毎日書いているブログの

 

今日が880回目です。

 

 

昨日は茨城県の高校1年生K君が

自主研究課題の取材で

 

「木構造」について

蓮見工務店に、話を聞きにみえました。

 

 

K君は、自分でネット検索をする中で

 

「梁あらわし」というキーワードから

蓮見工務店に行きついたとのこと。

 

 

 

 

柱や梁などの架構を

"現し"にすることについて

 

その意匠的な興味から始まり

話を進めていく中で

 

在来木造の架構と

耐震要素(耐震壁や筋交)

仕口部分の引抜き対策など

 

実務に沿った話へと

テーマが深化していきました。

 

 

どこまで伝えられたのか

K君の研究の役に立てたのか

 

ハッキリとした手応えは

有りませんが

 

それでも、一言一句聞き漏らすまい

というような

 

若い好奇心に満ちた眼差しに

とても心強いものを感じました。

 

 

昨年の夏に、遠路はるばる

新潟県から訪れた

 

建築設計を志している

女子高生しかり

 

 

ちゃんと自分で行動を起こし

その目で見て、耳で聞いて

 

生きた知識を身に付けることに

とても貪欲なのだなと

感心させられました。

 

 

15歳の彼には

これからも、様々なものに興味を抱き

多くの人の話を聞いて欲しい

 

そんな風に応援したくなる

とても良い時間を過ごさせて貰いました。

 

濃色のシャツに、同色のネクタイ。今どきの制服はオシャレですね。

 

 

さて、毎週木曜日は

 

“家づくりを『学ぶ』ブログ・構造編”

~家族の安全を守る構造”いろはのい”~

 

をテーマにブログを書いていて

 

今日はその37回目

【腐らない木材って、あるのかな!?】

をおとどけします。

 

 

このブログでも再三ご紹介している通り

「木材」は建築材料として

 

コンクリートや鉄にくらべ

重量当たりの強度に秀でていて

 

生産コストや、生産時の消費エネルギーにも

アドバンテージのある

とても優秀な素材といえます。

 

 

また、サスティナブルであり

 

生育時の二酸化炭素の吸収と

長期間の炭素の固定化など

 

環境負荷の低減という意味でも

今後、建築材料の中核となることを

期待されているマテリアルです。

 

 

そんな、理想的な「木材」の

弱点といえるのが

 

「腐朽」や「蟻害」による

耐久性の問題です。

 

 

対策として、現在広く使われているのが

 

①加圧注入材

 

・木材を薬注管に入れ、高圧で薬剤を内部まで

浸透させたもの

・短期間で大量の処理が可能であり、最も一般的

(見た目が美しくない=現しで使えない)

 

 

 

 

②薬剤塗布

・農薬系の薬剤を直接塗布

・薬剤は5年程度で揮発し、効果が無くなる

環境負荷も問題

(基礎断熱等での採用には不向き)

 

 

③ホウ酸吹付

・人間を含む腎臓を有する生物には凡そ無害である

ホウ酸を吹付ける(環境負荷は少ない)

・揮発せず半永久に効果持続するが、水溶性のため

濡れると流れ落ちるリスクがある

 

 

 

これらの対策は、それぞれ一長一短あって

かつ、使用できる場所に制限がある。

 

 

そこで今、様々な形で

「木材」の普及・蟻害への対策が

提案されています。

 

その、いくつかを

今日は紹介したいと思います。

 

 

『アセチル化処理』

 

・酢酸を高温・高圧で木材中の水酸基と反応させ

木材が水を吸わない様に変化させる

 

⇒地上で50年、水中で25年の耐用年数が保証される

⇒毒性薬剤の使用がなく、人体や環境に優しい

 

※木材から、いわゆる酢の臭いがして、

これは正直言って結構ビミョーです。

 

 

 

 

『エステル化処理』

 

・アルコールの一種などを加圧注入し、白蟻や腐朽菌の

栄養素であるセルロースをエステル樹脂に変換させる

 

⇒耐用年数は30年以上が想定される

⇒国産の杉材など、広く流通する材料への処理が進む

 

※アルコール等の化学薬剤を使用するので

それなりの環境負荷が想定される。

 

 

 

 

『エステックウッド』

 

・窒素内で加熱処理することで、セルロースが分解され

養分、水分が極端に少ない材へと変化させる

 

⇒公共施設の屋外利用で15年以上の実績がある

⇒薬剤を一切使用せず、環境負荷が少ない

(加熱処理をする際のエネルギー負荷の問題は残る)

 

 

 

 

これら、ご紹介した処理方法は

従来の対策にくらべ

 

安全性や耐久性で優れ、

寸法安定性も高いため

 

今後、より広く普及する

注目すべき、木材防腐防蟻技術と言えます。

 

 

今日は、

‟【腐らない木材って、あるのかな!?

家づくりを『学ぶ』ブログ・構造編 第37弾”

というテーマで

従来の木材防腐防蟻技術に比べ

安全で耐久性のある

3つの新技術をご紹介しました。

 

すべての経験を誇らしく感じ

思わず自慢したくなる

『家づくりヒストリー』を

提供し続ける

 

あなたにとっての

“オンリーワン・ビルダー”です。

 

 

これからも、住まいに関わる

さまざまな話題をはじめ

蓮見工務店、わたしについても

情報提供したいと思います。

 

 

 

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にも、さまざまな情報を載せていますので

参考にしていただければ幸いです。

 

このたび、温熱に関する、物件ごとの監修を

『松尾設計室』 松尾和也さんに、お願い出来ることになりました。

ご希望の方は、是非ご相談ください。

 

また、耐震構造に関しても

『構造塾』主宰 佐藤実氏に随時相談できます。

 

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